7月22日(土) 闘病123日目
2:00am 排尿 2:30amと3:00amに水を飲む
もう体力が残っていないはずなのにきちんと立ってトイレシートまで行ったり、ボウルで水を飲んだりする。最後まで頑張るコタロウ。
3:30am 呼吸が少し弱くなってきて10秒間に21回。急に呼吸が止まったりする瞬間がありやや不規則。
7:00am もう鼻を鳴らすして呼吸するほどの力は無く呼吸に強弱が出て来た。昨日よりも腹部が異様に膨らんでいるが目にはまだまだ力があり澄んでいる。下半身が震えていたので痙攣か、と思ったらおもらしをしてて濡れて寒かったよう。慌てて拭いたが臭いが取れないのでシャワーでさっと洗いドライヤーで乾かし粉シャンプーをふりかけた。水が嫌いなコタロウにとってはとんだ災難で不満げだった。
まだおしっこが溜まっているかもしれないので近所の散歩道へ。少し放牧してまた排尿と排泄。水しか飲んでいないのに本当にすごい。散歩から帰宅後はまた呼吸が荒くなる。10秒で30回。さっきまで呼吸が弱かったのにたった数時間で体調が変わってしまう。肺だけでは苦しくて肩を揺らして呼吸をする。
11:30am 動物病院から電話。決意に迷いがないことを確認をされた後12:30pmに来院するように言われた。朝から泣いてばかりの夫と私だったがもう後戻りが出来ないところまで来てしまった。コタロウの思い出としてヒゲとお腹の毛と体毛を少し切らせてもらった。
病院に行く前に最後の散歩をしよう、と決めていたのでいつもの公園へ。支度をしコタロウに声をかけるともうギリギリの状態なのに立ち上がる。「これでうちは最後だよ。よく見ておきなね。」と涙ながらに伝えた。
公園で写真を撮りまくる。ここの公園に落ちている枝を齧るのでお気に入りだったので棺に入れるつもりで数本拾っておく。最後の排尿をさせようと少し放牧したらまたしゃがみこんで排泄。もう出るものは何もないので下痢に近い水分だけだった。「最後まで偉いね」と夫とたくさん褒めた後に覚悟を決めて病院へ。
私たちが午前中最後の患者として時間を設定されていた。かかりつけ医はコタロウの腹部を見てすぐに昨日より腫れていることを指摘し、荒い呼吸が丸1日続いたことについては肥大化した脾臓が横隔膜を圧迫して呼吸がしにくくなっているのだろう、とのことだった。
安楽死の方法についての説明。まずは安定剤で眠らせる。その後麻酔液を入れるが通常よりも多めに入れると心臓が止まる。苦しくないし本当に眠るように安らかに亡くなることができる。立会をどうするか、と確認があり、私はコタロウが眠った後に退室、夫は最後まで見届けることを伝えた。
一番始めに麻酔薬を注入するルートを確保するために右前足に針を刺したがすでに悪液質のため末梢循環が悪くなっており針を受け付けなかった。左前足にルートを確保した後ヘパリン(抗凝固剤)を注入した。ルートが詰まらないようにしながら安定剤を投与しコタロウの意識が遠のく状態に。息苦しさを取り除いた状況下でコタロウに向けて最後の言葉をかける時間を与えられた。とろ〜んとした目で穏やかな顔のコタロウに夫と2人で短期間で数度の転勤に付き合ってくれたこと、私たちに縁を繋ぎ友達をたくさん作ってくれたこと、あちこち旅行をしたこと、毎日楽しかったこと、友達からの伝言など思いつく全ての話とありったけのお礼と再会の約束を泣きながらコタロウにした。その後、かかりつけ医からお別れの合図があり、再度ヘパリンでルートの確認をした後、麻酔薬を少しづつ投与。1本目で眠りにつき、2本目の投与をしている途中でかかりつけ医が「たった今お亡くなりになりました」と私たちに告げた。それは本当にあっさりと終わりあっけなかった。途中退出するつもりだったがそんなタイミングは無かった。時間にして5分もかかっていない。コタロウは体を反応させることも無く眠るように静かに逝ってしまった。お尻から出た最後の排泄を看護師さんに綺麗にしてもらった後、コタロウをカートの乗せて自宅に帰宅した。
事前に祭壇の準備は整え、安置方法はネットで調べておいたので粛々と2人で行う。ただコタロウは尿と排泄物がまだ体に残っていたため自宅に着いた時にそれが漏れお尻付近が汚れてしまっていた。ガーゼとタオルでそれも綺麗に清めた。亡骸になったコタロウはとても重い。たくさんの保冷剤を腹部を中心にあちこちに置き、体が硬直する前に全てを終えることが出来た。
遠方の友達からの花が届き、夜にはご近所の友達がお別れに訪ねて来てくれた。たくさんのお花に囲まれて祭壇は華やかになり、コタロウは皆に撫でられ、今までの頑張りを褒めてもらっていた。大好物の果物やお気に入りのおもちゃや手紙に囲まれてコタロウはとても喜んでいるはず。
安楽死の選択はとてもとてもつらいものだった。何度も逡巡し胸が張り裂けそうなおもいだったがコタロウの症状を顧みるとやはり今日がお別れの日だったと思う。食事を8日間も食べず、呼吸するにも苦痛を伴い、立つのがやっとだった。エコー検査はしていないが脾臓の腫瘍は大きくなり、あちこちを浸潤もしていたことだろう。コタロウは生命力が強く、生きる気力は最後まであったが体はもう限界だった。やれる治療は全てやった。これ以上の苦しみはコタロウのためにならない、と下した私たちの判断はきっとコタロウに伝わっていると思う。
コタロウを応援したくださった皆様、どうもありがとうございました。
【食欲】 終日水のみ
【体調】 食欲不振、倦怠感、荒い呼吸
【排泄物】 2回
【薬】服用せず
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