8月16日(水) 新盆と誕生日
新盆だったので13日(日)に迎え火を焚きました。そして今日はコタロウの8歳の誕生日。癌が発覚した3月に「余命半年」と言われたので私たちは「まずは8月16日の誕生日を元気で過ごすこと」を第一目標にしました。経過が良かった4月〜6月は「これは大丈夫かもしれない」と楽観的でしたが、7月中旬になると本当に坂を転がるように病状は悪化し、そして誕生日の約3週間前に亡くなりました。
この3週間はどちらかと言えば時間が過ぎるのが遅かったように思います。特に病状が悪化した最後の1週間を振り返るととひどく昔のようで、本当にあったこととして今も認識できず半信半疑の気分です。
最後の1週間は食べ物を食べることを拒否したので体力の低下は著しくもうギリギリのはずなのにそれでも水を飲んだり、おしっこするために立ち上がっていました。痩せて頬がこけてしまいましたが目にはすごみと強さがありました。その姿を見て「まだまだ生きる気力がある」と思っていましたが、今振り返ればそれは「大丈夫だよ」と私たちを安心させるためのコタロウの最後の頑張りだったのかもしれません。
靴下を置きっぱなしにしたらダッシュして駆けて出してくることも、キッチンで鶏肉を焼いていたらそばに張り付いていることも、ゴロッと横になっているとお尻をつけて傍に座ることも、遊んで欲しくて手を甘噛みしたり、洋服を引っ張ったりするコタロウはもういません。私は買い物から帰ると必ず「コタ、ただいまー」と声をかけていましたがその必要も無くなりました。今年になってからは毎晩一緒に寝ていたので「コタロウがいないね」が就寝前の夫婦の合言葉のようになっています。
東日本大震災を経験した時に「平凡な毎日はすばらしい」と心から実感しましたが、その平凡の中にコタロウが大きな比重を占めていたことを今更ながら実感しています。当たり前だったことが当たり前ではなくなることに慣れるには時間がかかりそうです。
今日は送り火だったので晩に夫と一緒にコタロウを見送りました。
コタロウまたね。来年も待っているよ。
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